BAUMING MEET & HACK 001

樹齢価値会議座談会を開催

林業と木工業の間にある深い谷に、
懸け橋がなかなか掛からない。

この業界の「谷間」には、新たな取り組みを始めようとする人々にとって高い壁となる課題がいくつも存在します。たとえば、地域によっては製材所が不足していたり、地元の木工産業が外国産の広葉樹に頼りがちな状況があります。また、林業では山から木材を持ち出すコストや需要が見合わず、伐採後に木材をそのまま山に残す契約が増えています。その結果、かつて里山で人々が育てたスギやヒノキといった針葉樹が、社会の中で活用される機会が減少していると感じます。

こうした背景の中で、私たちは2022年にヒバリングスの取り組みを開始しました。このプロジェクトは、平均年齢30代という若い林業法人、フォレストワーカーを主体に、木材のトレーサビリティーを確立しようという構想からスタートしました。しかし、当初は乾燥工程が大きなボトルネックとなり、「職人から『使いたい』と言われる木材」を目指しながらも、目標を完全には達成できていませんでした。

そこから2年の月日が経ち、現在では樹齢26年のサクラから350年のスギまで、針葉樹と広葉樹を問わず幅広い樹種や伐採地域に対応した木材を提供できるようになりました。また、人工乾燥と天然乾燥の双方に対応することで、品質面でもさらなる向上を実現しています。

地域を超えた協力と可能性を探る「BAUMING MEET & HACK 001」

2024年10月15日、私たちが開催したイベント「BAUMING MEET & HACK 001」では、庄原、北広島、三原、府中、広島、呉、東広島、三次といった多くの地域から、木工、林業、プロダクトデザイン、カメラマン、伝統工芸、行政、建築、ウェブエンジニア、メディア、交通、観光、メーカー、古物商など、多彩な分野の方々に集まっていただきました。イベントでは木工職人の手による製品を前に、集まった50名の参加者が意見を交わし、新しいアイデアを出し合う座談会を行いました。

今回のテーマは「樹齢価値会議」。
ヒバリングスの仕組みを活用することで可能になった新しい林業モデルでは、商品化されたモノから切株の位置を逆算でき、樹齢も判明します。これにより木材の価値が付加され、作り手、売り手、使い手にどのような影響をもたらすのか、さまざまな背景を持つ参加者から見解を伺いました。総じて、「ヒバリングスは新しい視点を提供しており、非常に興味深い」という声をいただき、仕組みの理解も深まったと感じています。

未来を切り拓く一歩を共に

「諦めていたけど、目の前の山のヒノキを活かした作品が作れる!」
「この取り組みには可能性しかない!」

職人の方々からも嬉しい言葉をいただきました。
皆さんの意見を参考に、BAUMING MEET & HACK 002を開催できるよう、ヒバリングスをさらに発展させていこうと思います。